火を熾して焼いて集って食べることの魅力

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昨日は寝る前になって、バーベキューグリルの価格を調べたくなった。目星付けているのをほんの5分だけ、と思っていたのに気づけばとっく1時間が過ぎていた。

この地において使ったことがあるのは、プロパンガスと炭火。引っ越しを機に買い替えるとすれば、ソーセージを燻して仕上げようとかはたまたバーベキュー大会に出場を狙うほどの道具を擁して腕を磨こうかなどと構想やら妄想やらが膨らむ。

しかし、しかしだよ、そうだ、まだ引っ越す先の家が見つかっていなかったのだ。これが現実。そして紆余曲折の末に難なく引っ越し先に落ち着けたとしても、そんなに大々的な装置(!)を使いこなせる場所を確保できるとは想像しがたい。ほんの少し今よりは希望に適う新品を手に入れて満足できれば上等で、大幅な機種変更はなさそうだ。とは言え、そんな妄想をしているだけでも十分に幸福な時間。

 

 

ベン・フォード。俳優ハリソン・フォードの息子である。こんな説明は不本意なのだけど、日本では知られていないでしょ。まったく話題になっていないだろうと察する。

私はベン・フォードの料理観に魅せられていて、著書を読めば読むほどにのめり込んでいく状態だ。きっと、そこから感じ取っているのは私が望む食卓の風景なのだと思う。

しかし、彼が経営するレストランにはそれほどの興味はない。近くに行くことがあれば予約して必ずや訪れるだろうけど、遠方からそこで食べるのを目的にするまでの欲求は湧いてこない。

ところでその私がのめり込んでいるベン・フォード著の本『TAMING THE FEAST』だが、経営するレストランの紹介でもレシピでもなく、素人に向けた作り易い簡略版レシピでもないのだ。その内容は一貫して、外で火を熾して焼いて集って食べること。豚一匹丸ごと焼いてしまえるほどのロースターでも自作してしまえ、ってな勢いで。実際、DIYでどうしたらいいかの指南も載っている。

そんなぁ~、そんなのができる場所の確保がまず無理だってぇ、と言いそうなものだが、彼はわりと密集した住宅街の路地裏でもそこに自作の設備と卓と椅子を用意して、さぁ宴の始まりだよなんてことを現実にしているようだ。

これ、その地域に住んでいる人の賛同があればこそ可能なのが前提ではあるけれど、いいなぁそんなことが可能だったらせっせと率先して準備して、集ってくれる人たちと毎週末の夜に楽しみたいよ。

異国の地の祭事で山羊や牛を屠って捌いて煮込んで食べたり、裏庭で豚を丸焼きにしたり。独りでやっているんじゃないから。集って誰かに食べてもらうのが自分のためだから。すっかり過ぎて行ったそんな日々が、慟哭するほど懐かしかしくてまたそんなふうな時間と空間を持ちたがったり。

と、これまた別の異国に暮らす今の私の状況を鑑みると妄想の域を出ないのだけど、一冊の本からこうして寝る前の時間が充溢するに繋がる小さな出会いにじんわり感謝するのだった。

 

 

2017庭のトマト

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トマトが2つ。庭で採れたトマトだ。捥いできたままで、まだ洗っていない。2017年の庭の風情を纏っている。

これはビーフトマトという品種。がっちり身が締まっていて水分が流れ出しにくいから、輪切りにしてハンバーガーに挟むのに向いている。

 

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切って、食べてみた。おお、これが2017年の私の庭の土で培われた味か。そうなのか。

私はこの夏をとても慌ただしく生きた。追われるように押されるようにしてあっという間に日々は過ぎた。

私がそんな様子だから、トマトはまったく世話をされていない。雨に打たれ、風に晒され、陽に射られ。そしてこんなに瑞々しく力強い美味しさを包している。

 

 

こんにちは

          

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日常の風景と戯言

 

 

本日より、『dapoerpane路地裏ミルクバー』を始めます。