dapoerpane路地裏ミルクバー

穀物粉とスパイスの日常開扉

持ち時間は2時間、で、引っ越し準備完了

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ある日のこと。それは、先月の末31日。

「明日引っ越すから。」と、都合のついたらしい彼が言う。

夏頃から引っ越す予定でいたが、転居先の家の施工完了が遅れたり、他方面で思いもよらぬ事態に見舞われたして、なかなか引っ越しに至らないでいた。

それがやっとのことで引っ越せるとなったら、何とまさかの翌日だと。それは慌てる。いや、意味もなく通常だったらを想定してみて私は慌てた振りをしているのか。それはどちらも本当で、半々というところだな。

海外数か国、それも情勢の安定していないところに暮らしたこともあるから、今から数時間のうちに直ちに国外退去という経験もしている。そんな状況においては心情的なことは二の次で、所有物の大半は持ち出す術がない。

そんなことを思い出しながらも、明日引っ越すのだ、この機を逃したらいつ引っ越せるかわからない、実行せねばならぬ、と覚悟を決める。とは言え、明日引っ越すと家族に告げさえすればそれが実現すると信じて疑わない彼には、やはり呆気に取られる。

引っ越し宣言をした彼は、重要事があるとかで出掛けて行った。当然ながら引っ越しの用意は何ひとつしていない。私はと言えば、さてどうするかな、今晩は荷造りをしたくないな、明日起きてから取り掛かればいいや、と牛ステーキで夕食支度をした。

この家で料理をするのはこれが最後かと幾許かの感慨もあり、いつもより質の良い牛ステーキを気合いを入れて焼いた。奇遇だな、何故だかそれを買ってあったなんてさ。

 

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さて翌日。昨日の引っ越し宣言は夢だったんじゃないかと、そう思いたい気持ちもあって紅茶を飲みながら暫くぼんやりと座っていた。それからいつも通りに雑用をこなして、時計を見ると8時。11時に引っ越し開始だと聞いている。

まだやり始めたくない。9時でいいや、11時まで2時間あれば十分間に合うだろう、これまでの引っ越し能力(!?)がそれほど衰えてなければ、2時間で荷造りはできるはずだ。

そんなこんなでやはり十分に間に合って、彼が家に戻ってきて11時に引っ越し開始。程なく引っ越しは完了。

 

 

そして今、引っ越し先の新居にいる。これを書いているのは夕食後だ。ここで夕食を取るのは4回目。引っ越し直後には即席麺で一息ついて、2日目は牛肉と野菜の具だくさん辛スープで、3日目は野菜盛りだくさんにハンバーグで、4日目の今夜はハーブたっぷり辛い生ソーセージとマッシュポテトと青菜浅漬け。と、どうにかこうにか料理してそれなりの夕食は取っている。

そう言うともうすっかり落ち着いたようだが、いや、いや、事態はとんでもないことになっているのだ。

 

 

引っ越す予定でいた家に居ないのだから。え、ええっ!?って本当にそうなの。その事実に自分でもたじろぎ驚いている。

明日引っ越すからと彼から告げられて、その住所は引っ越す予定でいた家のと異なると理解した時の衝撃ったらどれだけ大きかったか。!!!

どうすんの、どうすんの、オーダーしたカーテンとかその他あの家でなければ合わない物がたくさんあるでしょ、というのは騒いでみるだけ無駄か。嘆きや恨み節をぶつけるよりも気を入れ直してどうにかするんだよね、それしかないさ、我が家の暮らし方としては。どんなに時間を掛けたり気持ちを入れたりはたまた費やした金額も、すべて過ぎて終わった事としよう。今の現実が最善、おそらくそう、きっとそう。

新居用にとオーダーしていた多くの家具はデザインと材質が良いので購入者を見込めるということで、僅かなキャンセル料を支払うことで折り合いがついた。というわけで、これまでの家からの所有物で唯一の椅子4脚。これは自分でペイントした不細工さが気に入っているゆえ持って来た。所有していた家具のその他すべては家とともに残してきた。経過を端折るが、それで話しが決着している。その空間にはその家具、この空間にはこの家具、そんな風に似合う引き立つ場所にあるのが一番だと私は考えている。

だから有る家具は4脚の椅子だけだ。それを台所のアイランドカウンターに据えている。ぜんぜん高さが合わない、ここにはカウンターハイトチェアが必要だ。収まりの良い家具が届くまでは、不便さを笑って、これもまたこの時期の思い出になるさと過ごしていこう。

 

 

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